GPA制度のメリット

学生、学校、企業にとってGPA制度のメリット

GPAを導入することにより、学生や大学、企業にとってはどんなメリットがあるのだろうか。

 

学生にとってのメリット

学生においては、GPAにより履修した全科目に渡る成績のパフォーマンス(履修態度、修学状況、行動特性)が正当に評価される。
かつてのレターグレードによる評価は、教員の裁量によるところも大きかった為、評価基準に曖昧さや不確かさが存在していることも否めなかった。
正確な評価をされるということで、学生の修学に対するモチベーションの上昇が期待できる。
また、GPAでは単位の意味の実質化が大きな意義を持っている。
従来の方法では単位数はレターグレードには反映されていなかった。
例えば単位が10の卒業論文と単位が1の体育実技が同じ秀で表されるのみであった。
GPAではGPに履修単位数を乗ずるので、単位の大きな科目(卒業研究、卒業論文、課題研究など)で良い成績を取れば取るほどGPAが上がるしくみとなっている。
従って、これら重要な科目に対する学修動機づけという大きなメリットが期待できる。

 

またGPAはGPを履修総科目数で除して求めるので、不合格科目も成績に反映されてくる。
それまでは不合格科目は最終的な成績証明にも記載されることはなかった。
従って、10科目で秀を取り不合格科目が0の学生と、10科目で秀を取り不合格科目も10ある学生とが、全く同じ成績となってしまっていた。
従って、学生は不合格科目が出ることにも無頓着であった。
GPAにおいては不合格になった科目が多ければ多いほど成績は低く表される。
このことから、学生は極力不合格が出るのを避ける様努力し、過剰な履修や履修の途中放棄、故意の不合格選択の発生なども抑えることができる。
つまりは学生自身の自己責任、自己決定による履修、修学を促すことができる。
従来、大学側が設けていた履修単位数の上限や罰則を設定せずに済み、学生の学修に対する意欲とモチベーションを上げ、大学側も無駄のない効率的なカリキュラム経営を行うことができる。
このことは、更には大学教育の質の向上に繋がることになる。

 

 

大学にとってのメリット

またGPAは、単なる成績指標としてだけではなく、大学側による種々の判断基準として役立つことができる。
個々の学生の履修状況を把握し、成績優秀者の評価基準、奨学金貸与の資格者基準として利用するできるほか、助言の際の資料や成績不振者への対応発動の指標としても有効活用できる。

 

またシステムさえ整っていれば、GPAを定量的なモニター指標として、学生自身で自らの履修と修学状況を管理することが可能となる。
これは、学生の「自己決定・自己責任の元での修学」を促すことができ、成績へのモチベーションとして期待される。また大学側の管理コストを減らすこともできる。

 

 

企業にとってのメリット

GPAは大学だけではなく民間企業においても活用することが可能である。
今までの就職試験では、大学在学中全ての期間に渡るその学生の成績や行動を評価する方法がなかった。
最終的な成績しかなかった為に、企業は面接や独自の入社試験を施し学生を選んできた。
しかし、GPAが整備されれば、企業は色々な大学から統一された基準で、履修態度、修学状況、行動特性の優れた学生を効率的に選ぶことができる。

 

またGPAは学生を評価するだけではなく、大学側も評価することができる。
ある科目で多くの学生のGPAが高すぎるということになれば、その授業は内容が簡単すぎるということになるし、反対であれば難しすぎるということになる。
GPAを全学レベルで解析することにより、科目間のばらつきを是正し、更に質の高い授業、教育へとフィードバックすることが可能となる。
また今後は益々、大学間での学生流動が盛んになってくると見込まれているが、GPAをより多くの大学で導入しその基準を統一化することができれば、異なる大学間で互換性のある正確な成績判断を下すことができ、転部や編入、留学の際にも手続きの効率化が期待できる。

 

 

参考文献

『GPA制度の研究』(半田智久 著)