GPA制度の歴史

GPA制度の過去

GPAは、元々米国の大学で発展したものである。
米国では19世紀には既に、総合大学において科目の選択履修制度が導入されていた。
日本では敗戦を期に、米国型の大学教育を模した新生大学が誕生し、これを契機として本格的な単位制が導入された。
GPA制度は、選択履修制度の基盤として設けられたこの単位制を、運用しながら実施していく試みの中で生み出されてきた。
また米国ではいち早く、極めて多国籍からなる留学生の受け入れを増やし、幅広い文化的背景をもつ国民全体に大学の間口を開いていくという「大学のユニバーサルアクセス化」という現象が進行した。その結果、米国の自由市場と競争原理、学生の多様化に対応した履修コントロール方法が必要となった。
そのニーズが、成績と単位を連動させ、誰にでも明快に通用する指標・GPAを生み出すきっかけとなった。
GPAによって、それまでは合格科目に基づき卒業要件を図る量的尺度でしかなかった単位が、成績と一対となり学修行動のパフォーマンスを表す数値となったことも特筆すべきことである。
GPAは、この様な経緯を経て、学生の信用証明(credit)を担保しうるものとなったのである。

 

日本ではGPAは、1998年の大学審議会の答申の中で例示として挙げられて以降、急速に広がりを見せている。
新たな制度とはいえ、これまで運用してきた成績評価プログラムを若干仕様変更するだけで一応は機能するという導入障壁の低さが、相次ぐ導入に繋がってきたと考えられる。

 

2004年に日本全国の大学576校を対象に行われ46校から回答を得たアンケートによると、全体の84.8%が2000年以降の導入となっている。
とりわけ、2002年以降の大学はほぼ半数の54.3%であった。
1999年以前に導入した大学については70年代が1大学、80年代が1大学、90年代が5大学であった。つまりは、1998年以降に導入した大学が全体の9割以上を占めている。

 

GPA制度は、今後も短期間のうちに、導入する大学が加速度的に増えていくと見込まれている。
各大学においてはまだ当分の間は、既存の評価方法や学生状況との擦り合わせに調整がかかり、未整備や様子見、試行錯誤の状態が続くであろう。

 

またGPAの導入に当たり、初めから全学統一基準で導入したか、それとも学内の一部で先行的に導入したかを調べた調査では、44校の大学で9割以上(93.2%)が初めから全学統一基準で導入したと回答している。

 

今後の日本でも、益々大学における全人化は進み、多種多様な学生への対応が要求されていく。
特にアジア諸国で進んでいくであろう学生流動という時代の流れに対しても、GPAは高い効能を発揮していくであろう。
今後、益々GPAの導入は増えていくと予想される。

 

参考文献

『GPA制度の研究』(半田智久 著)