GPA制度の概要

GPAって、実はこんな制度なんです

GPA(Grade Point Average)とは、1998年以降、急速に今日の大学における成績指標として広がりつつある評価方法である。
歯止めの利かない少子化や逆方向に動いた大学・学部の新増設、経済の成熟化に伴う就職難や就職回避などの時代環境を背に、新しく求められる大学像と連動する様にその導入が増えてきた。
2004年の時点では国立大学を中心に約31%の大学で導入され、2008年の時点では約46%となっている。

 

GPAは、ある学生に対して付けられた各科目のレターグレードをグレードポイント(GP)に変換し、それに当該科目の単位数を乗じ、その総和を履修総単位数で除して求められる。
その学生が履修した全科目に渡る成績のパフォーマンスを明確に指標化し、更には在学中の履修態度、修学状況、行動特性をも表す指標となっている。

 

GPAでは単位の意味の実質化が大きな意義を持っている。
従来の方法では単位数はレターグレードには反映されていなかったが、GPAでは例えば単位の大きな科目(卒業研究、卒業論文、課題研究など)で良い成績を取れば取るほどGPAが上がるしくみとなっている。
従って、これら重要な科目に対する学修動機を促す大きなメリットが期待できる。

 

またもう1つの大きな特徴としては、不合格科目の反映がある。
このことから、学生による過剰履修や履修放棄、故意の不合格選択なども抑えることができる。
またこれにより、大学側も不要な科目整備や履修単位数の上限設定を行わずに済み、効率的なカリキュラム経営を行うことができ、更には教育の質の向上に繋がることが期待できる。
またGPAは学生の修学期間中全てのパフォーマンスを一元化して表しうるものなので、大学側は成績優秀者の評価基準、奨学金貸与の資格者基準として利用することができるほか、助言の際の資料や成績不振者への対応発動の指標としても有効活用することができる。
更には、大学内だけではなく、その学生を正当に評価する基準として就職の際の指標としても用いることができる。企業はGPAを元に、幅広い選択肢の中から正確かつ効率的に優秀な学生を選び出すことが可能となる。

 

GPAはまだ導入されて間もない制度であることから、数々の問題点があることも事実である。
その1つには科目間の評価基準の非統一、教員による意義の理解不足、学部間での成績評価の差異、従来の立場からの心理的な障壁、素点原成績とGPへの返還方法の問題である。
現在、最も大きな問題がこの変換方法の問題であり、GPA算定に曖昧さを含むレターグレード(LG)を介しているということに原因がある。
しかしこれは、各種検証によりある数式を使い解決できることが分かった。
GP=(TS-X)/10
である。Xは55が最も適切だということもシミレーションにより分かっている。
この様に、誤差を減らしより機能の効果を上げたGPAをfGPAと呼ぶ。

 

アンケート調査により、外国での制度導入状況を見ると、導入が100%の米国だけに関わらず、日本を除くアジア諸国でもGPA制度が約9割の大学で運用されていることが分かった。
一方欧州ではECTSが主流であった。
また米国ではGP最大値を4とすることが標準であるが、アジアでは最高位のLGには正当なGPを充当させ、GP最大値を4としない現象が見られた。

 

またこの様なGPA(fGPA)を有効に利用しようとすると、充実したシステム体制が必要となってくる。
その様なシステムの一例として、御茶ノ水女子大学の教育開発センターが開発した学修情報ネットワークシステムalagin(Academic Learning and Achievment Guiding Information Network system)がある。
alaginの稼働によって、学生に対し、学期ごとに学修計画を立案していくことが可能になった。
学生主体の学修を促すためには、個々の学生の状況に応じたアカデミック・プランニングの策定が不可欠である。
このためには、学修成果の評価情報を十二分に活かして、個々の学生のパフォーマンスを的確にモニターしていける情報システムと、その読み込みと計画立てへの案内・相談・支援体制を充実させる総合策が必要である。
ここに開発したalaginは改善を加えながら、今後個々の学生を支える基盤システムとして機能するであろう。
このプロセスの自然な累積が、洗練された質の高い教育成果を的確にし、更なる分かり易いシステムの成長を促すことと考えられる。

 

参考文献

『GPA制度の研究』(半田智久 著)